感情を一括りにする「推し活」ブームに物申す。K-POP・SEVENTEENのファンにインタビューしまくった著者の思い
■これはSEVENTEENとCARATへの恩返しだ
SEVENTEENとCARATに出会って向き合った時間は、私の人生を根本から変えてくれた。人として生きる上で大事なことを、たくさん、たくさん教わった。だから、この本は私なりのSEVENTEENとCARATへの恩返しのつもりだ。
取材、執筆、編集まで一人でやって、全部が初めてのことだったので、手抜かりは大量にあると思う。何者でもないいちファンの分際で、目立とうとしていると思われても仕方がない。「たった3年間でいったい何がわかるんだ」と言う人もいるだろう。
そして、これはどこまで行っても「非公式本」だ。
この本を知らないままで、SEVENTEENは今まで通り活動し続ける。この本がなくたって、CARATはSEVENTEENの美しさを知っている。この本を読んだって、CARAT以外の人々はSEVENTEENの美しさを理解しないかもしれない。それでも、それでも。
全ての期待を否定し尽くし、全てのリスクを引き受けて、それでもなお、この本を作らなくてはいけないと信じる気持ちは揺らがなかった。この本は、アイドルを愛する誰かにきっと届く。「好き」を抱きしめる誰かに、必死で今日を生きている人に、きっと。
信じ抜けたのは、向き合ったのが自分自身ではなく、目の前にいる大好きな友人たちだったからかもしれない。客観的に見ることができない自分のことには自信を持てなくても、目に見えるものの美しさは、疑いようがない。
この本に登場するCARATの多くが、想像を絶するような人生を送ってきている。“普通”に見える人々の誰しもが、実は平気で生きているわけじゃない……そのことが、読んでくださる方に伝われば、私の仕事は一つ成し遂げられたことになると思う。
そして、そんな人生にそっと寄り添うアイドルたちがいてくれたこと。この本には絶望のような時間がいくつも登場するけれど、そこにアイドルがいる限り、その道のりは希望へとつながっていくのだ。
少し早いですが、SEVENTEENのみなさん、デビュー10周年おめでとうございます。移り変わりの激しい、しがらみの多いK-POP業界で、生まれ育ちもさまざまな13人がずっと一緒に活動し続けるということは、決して当たり前のことではないと思います。
いつもいつも、私たちに愛と希望をくれてありがとう。みなさんがくれたものを未来に残すお手伝いを、ほんの少しでもできれば幸いです。
文:LEON
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